関市の不動産売却の価格相場は？市の概要や住環境も紹介

岐阜県関市で不動産売却を検討中の方なら、価値を把握するためにも、関市がどのようなところか、街の魅力や住みやすさを押さえておきたいでしょう。
この記事では関市の人口や歴史などの概要や生活の利便性、お出かけスポットなどの住環境をご紹介します。
土地や一戸建て・マンションの価格相場もご紹介しますので、不動産売却の参考にしてください。

関市の概要

関市の概要として、位置や人口、市の名前の由来と歴史をご紹介します。

位置と人口

岐阜県にある関市は、県の中南部に位置しており、細長いV字型の街です。
市内のほとんどの部分を山林が占めており、V字の付け根にあたる南のエリアが比較的平坦な地形であるため、市街地となっています。
南部の市街地には、生活に必要な商業施設が充実しているでしょう。
その一方で、北部は豊かな自然に恵まれており、特に湧き水でできたモネの池は人気の観光スポットとして知られています。
市の人口は、令和6年10月1日時点で男性41,183人、女性42,853人の合計84,036人、世帯数は36,475世帯です。
令和6年1月1日時点では男性41,598人、女性43,221人で合計84,819人、世帯数は36,277世帯でした。
いずれの項目でも減少しており、人口はわずかに減少傾向にあります。

名前の由来と歴史

この地は、過去に京都と飛騨をつなぐ交通の分岐点として関所が置かれていたことに由来し、関市と呼ばれるようになりました。
関所を中心に、関より東を関東、関より西を関西と名付けたとの説もあり、日本の中央に位置する街として認識されていた様子が伺えます。
関市は刃物作りが盛んであり、イギリスのシェフィールドやドイツのゾーリンゲンと並び、世界三大刃物生産地に名を挙げるほど有名です。
鎌倉時代から日本刀の名産地として繁栄してきた歴史があり、当時の刀鍛冶の技術と伝統が引き継がれ、現在の刃物作りに活かされています。
現在でも包丁やカミソリ、ハサミ、爪切りなどの刃物製品の出荷額は全国1位です。
焼き入れや研磨、刃付けなどの工程に加え、木やプラスチックの柄の部品製造など、多くの刃物関連事業者が生産に関与しています。
質の高い製品を多数生産できるのは、さまざまな事業者による分業体制が整えられているためです。

関市の住環境

交通や生活の利便性、子育て環境やおすすめスポットなど、関市の住環境をご紹介します。

交通アクセスと生活の利便性

関市で利用できる鉄道は、ローカル線の長良川鉄道です。
運行本数が少ないため、日常生活で利用する際に不便を感じる場合もあるでしょう。
関駅から最寄りの主要駅である美濃太田駅までの所要時間は約20分です。
車を利用する場合は、各方面へのアクセスに関ICを利用できます。
主要都市への所要時間は、岐阜市内まで約30分、名古屋市内まで約1時間です。
愛知県に近く、東海エリアの中心都市である名古屋方面へのアクセスが良好な立地です。
市街地には、映画館や温浴施設を併設する大型ショッピングモールや、生鮮食品が充実している地元密着型のスーパーマーケットもあります。
生活に必要な施設が揃っているため、買い物も便利です。
豊かな自然のなかで不自由なく生活でき、田舎と都会の両方の恩恵を受けた暮らしが実現できます。

子育て環境

関市は子育て支援が充実しています。
児童手当や児童扶養手当などの公的な支援に加え、自治体独自のサービスも提供されています。
独自のサービスには、育児相談や骨盤ケア、ベビーマッサージなどに利用できる助成券の配布や、出産応援ギフト、育児応援ギフトなどの電子商品券の支給があるでしょう。
さらに、一時的に子どもを預けられる託児ルームもあり、早朝や夜間、土日祝日にも利用できます。
市全体で子どもを育てる意識が高く、図書館をはじめ、プラネタリウムやバーベキュー施設などが充実しています。
待機児童ゼロを達成している点も、子育て世帯が住みやすい要因となっているでしょう。

おすすめスポット

市内には、川浦渓谷や高賀神水庵など、自然に触れ合える観光スポットが多数あります。
なかでも、モネの池と呼ばれる根道神社の境内にあるため池は、水の透明度による美しさからSNSで話題になり、一躍有名な観光スポットとなりました。
透明な水の中を泳ぐ鯉の姿が、フランスの画家・モネの睡蓮の絵のように美しいと評判で、多くの人々が訪れています。
子育て中の方には、百年公園もおすすめです。
自然豊かで広大な公園には、大型遊具やアスレチックがあり、サイクリングも楽しめます。
併設されている岐阜県博物館では、恐竜の全身骨格標本が展示されており、恐竜好きの子どもにも喜ばれるでしょう。
2021年にオープンした「せきてらす」は、刃物をテーマにした複合施設です。
多目的ホールや直売所があるだけでなく、刃物を使ったクラフト体験もできるため、気軽に刃物の文化に触れることができます。

関市の不動産売却相場

不動産売却の際には、売りたい地域の価格や相場を把握しておくのが重要です。
土地・一戸建て・マンション別に、関市の不動産売却相場をご紹介します。

土地の売却価格相場

関市の土地価格の相場は2020年時点で864万円であり、坪単価は11万円です。
前の年と比べると2.2％低下しています。
過去10年では19.9％の下落が見られ、資産性が高いエリアとはいえない状況です。
周辺エリアの平均増減率は16.3％減であり、周辺と比較しても有望なエリアとはいえません。
10年後の価格相場の予想では、ノーマルシナリオで6.0％減、グッドシナリオで6.5％増、バッドシナリオで34.9％減とされています。
グッドシナリオでは人口とGDPを1.1倍、バッドシナリオでは0.9倍で算出しています。
ノーマルシナリオの6.0％減を考慮すると、やや注意が必要です。
周辺エリアの10年後の平均増減率が2.6％減であることと比較すると、将来に期待が持てるとはいえないでしょう。

一戸建ての売却価格相場

関市の中古一戸建ての価格相場は2020年時点で2,090万円であり、坪単価は58万円です。
前の年と比べると0.1％低下しています。
過去10年間では34.5％の下落があり、資産性が低いエリアといえます。
周辺エリアの過去10年間における平均増減率は8.6％の増加であり、それと比較しても有望なエリアとは言い難い状況です。
10年後の予想では、ノーマルシナリオで29.5％減、グッドシナリオで9.1％減、バッドシナリオで35.1％減となっています。
周辺エリアの10年後の予想平均増減率が15.4％の増加であることと比較すると、有益なエリアになる可能性は低く、注意が必要です。

マンションの売却価格相場

関市のマンションの平均売買価格は、2024年9月の時点で1㎡あたり11.9万円です。
3年前と比較すると9.1％の増加が見られます。
直近5年間で関市のマンション価格は上昇傾向にあり、資産価値が高くなっていると言えます。
3LDKの間取りの物件が多く、その販売価格の中央値は855万円です。
市場の状況を把握し、行動することが不動産売却を成功させるポイントですが、最適なタイミングはライフスタイルや経済状況によって異なります。
自身のタイミングに合わせて判断しましょう。

まとめ

関市は岐阜県の中央部に位置し、北部の山林と南部の市街地によって形成される、刃物作りで有名な街です。
生活に必要な設備がそろっており、自然に囲まれながら不自由のない暮らしができます。
土地や中古一戸建ての価格相場は下降気味ですが、マンションは上昇傾向にあります。
不動産売却の際には、相場を把握しながらご自身のタイミングに合わせて行動するのが大切です。