傾いた家の許容範囲は?売却価格の下がり方やスムーズに売る方法をご紹介!

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傾いた家の許容範囲は?売却価格の下がり方やスムーズに売る方法をご紹介!

自然災害や老朽化で家が傾いてしまう可能性があります。
そのような不動産でも通常どおり売却できますが、ケースによっては価格が下がるおそれもあるので注意したいところです。
そこで今回は、傾いた家は何度までが許容範囲か、売却価格への影響やスムーズに売る方法をご紹介します。

傾いた家は何度までが許容範囲か

傾いた家は何度までが許容範囲か

原則として、家が傾いている基準は法律では定められていません。
一つの目安として「住宅品質確保促進法」が挙げられます。
住宅品質確保促進法で決められている技術的基準や過去の事例を参考すると、傾いた家の許容範囲が判断できるでしょう。

住宅品質確保促進法における瑕疵の許容範囲

法律で定められている傾きの基準は、大きく分けて3段階です。
家の傾きが1,000分の3未満なら、瑕疵の可能性は低いと判断されます。
一方、1,000分の3以上1,000分の6未満では、瑕疵の可能性があるとみなされるので注意しましょう。
1,000分の6以上になると、瑕疵の可能性が高いと考えられるケースがほとんどです。

傾いた家の許容範囲を調べる方法

傾いた家の許容範囲を調べるには、水平器を利用する方法があります。
水平器はホームセンターやインターネットで購入可能です。
スマートフォンと連動しているタイプもあるので、状況に合わせて検討してみましょう。
ただし、水平器は専門性や正確性に欠けるデメリットがあります。
傾いた家の許容範囲を正確に知りたい方は、ホームインスペクションを依頼するのがおすすめです。
住宅に精通したホームインスペクターに頼めば、家の傾きだけでなく住宅の劣化状況や欠陥の有無もチェックできます。
注意点として、費用がかかることは押さえておきましょう。
目視可能な範囲で調査する一次検査では、5万~6万円ほどの費用がかかります。
機材を用いた二次検査だと10万円以上の出費を覚悟しなければなりません。
どこまでの許容範囲を確認するか、予算を考慮して検討する必要があります。
状況によっては、傾いた家でもそこまで価格が下がらない可能性もあるでしょう。

傾いた家の売却価格はどこまで下がるのか

傾いた家の売却価格はどこまで下がるのか

傾いた家の売却価格は、それぞれの状況によって異なります。
そこまで価格が落ちないケースもあれば、大幅に金額が下がってしまうケースもあるので一概にはいえません。
事前に大まかな価格相場を確認しておくと、失敗が少ないでしょう。
傾いた家の売却価格がどこまで下がるのか、3つの事例をご紹介します。

床のみに傾きがあるケース

柱や外壁は垂直を維持しているのに床のみが傾いているケースでは、土台や大引など床の構造材が腐食していると考えるのが一般的です。
基礎の沈下が原因ではないため、補修は必要な部分に限定されます。
工事費用もそこまで高額にはならず、売却価格の下落は抑えられるでしょう。
床のみが傾いた家の売却価格は、相場より50万~100万円ほど低くなるケースがほとんどです。
状態が良ければ、相場と変わらない価格でも売却も可能となっています。
不動産売却を検討しているなら、事前にホームインスペクションで家の状態を確認しておくと良いでしょう。

基礎部分が傾いているケース

家が傾く原因の多くは、基礎の不同沈下によるものです。
基礎が支持層に達していなかったり、地盤が緩かったりしたときに基礎の不同沈下が起こる傾向にあります。
この現象を改善するためには、家をジャッキアップして垂直に戻す必要があり、基礎を支える地盤の改良もおこなわなければなりません。
その結果、工事費用が高くついてしまうのです。
全体的に傾いてしまっている家は、売却価格が相場より300万~500万円ほど下がるのが一般的です。
売りに出しても手元に利益を残せない可能性があるので、売却方法やタイミングは慎重に検討しましょう。

地盤沈下しているケース

地盤沈下しているケースでは、家が全体的に傾いているケースより価格が下がるおそれがあります。
この現象が起きるのは、軟弱地盤や地下に空洞があることが原因です。
防空壕や井戸などがある土地では、地盤沈下が起きやすくなっているので注意しましょう。
地盤沈下が原因で傾いた家は、売却価格が500万円以上下がります。
状態によっては、売却を断られる可能性も否めません。
家の傾きが地盤沈下によるものなら、売却する前に対策を考えておくことが大切です。
売却しようと考えていた家が売れないといったハプニングが起きないよう、あらかじめ対処しておきましょう。

傾いた家をスムーズに売却する方法

傾いた家をスムーズに売却する方法

傾いた家で高値・早期売却を狙うなら、以下の方法がおすすめです。
それぞれポイントを押さえておき、実際の売却で役立ててみましょう。

現状のまま売却する方法

まず挙げられるのは、現状のまま売却する方法です。
傾いた家を現状のまま売却すれば、売主が瑕疵を修繕する手間が省けます。
買主が自分で修理・工事をおこないたいといったケースもあるので、状況に合わせて選択してみましょう。
ただし注意点として、売却価格が下がる可能性が高いことは押さえておく必要があります。
価格の下落幅は家の状態や地域によって異なりますが、相場から200万〜500万円ほど下がるのが一般的です。
買主とのトラブルを回避するためには、あらかじめ家の傾きがどの程度か買主に伝えておくことをおすすめします。
工事費用分を考慮しているなど売主の誠意が伝われば、価格交渉ができる可能性もあるでしょう。
より良い条件で売却できるように、家の状態やアピールポイントは事前に把握しておくのが重要です。

瑕疵を修繕してから売却する方法

住宅の瑕疵を修繕してから売却すれば、相場に近い価格で取引できる可能性が高まります。
さらに、買主が見つかるまでに時間がかからないのもメリットです。
家の売却を急いでいる方や多くの利益を出したい方は、瑕疵を修繕してから売却すると、スムーズに引き渡しまで進むでしょう。
また、家の傾きを修繕すれば、既存住宅売買瑕疵保険も利用できます。
売却時に品質保証や瑕疵の保険を付ければ、買主も安心して取引がおこなえるはずです。
しかし、修繕の手間や費用はかかります。
ケースによっては高額な費用が発生しますが、その分、大きなメリットは得られるでしょう。

更地にしてから売却する方法

現状のまま、もしくは修繕してから売却する方法以外にも、家を解体し更地にしてから売却することも検討できます。
建物の解体費用はかかりますが、更地にすれば土地の活用方法は広がります。
住居利用だけでなく、賃貸物件やコインパーキングとしての活用も可能です。
売却をアピールできる層が広がるため、買主が見つかるスピードも早まります。
ただし、傾いた家の原因が地盤沈下だったときは、買主が新しく家を建てても将来的に傾いてしまうおそれがあるでしょう。
売却後のトラブルを未然に防ぐためにも、住宅だけでなく土地の状態もしっかりと把握しておくことが重要です。
地盤を改良するなど対策できないときには、専門の買取業者に売る選択肢も視野に入れてみることをおすすめします。
訳あり物件の買取業者に依頼すれば、傾いた家でも比較的スムーズ売却できる可能性が高まるでしょう。

まとめ

傾いた家の許容範囲は明確に定義されていませんが、住宅品質確保促進法の基準が目安となるでしょう。
基礎沈下など家全体が傾いているケースでは、300万〜500万円ほどの価格下落が見込まれます。
傾いた家をスムーズに売却したいなら、瑕疵を修繕したり建物を解体したりしてから売りに出すのがおすすめです。


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